【地域おこし協力隊】「よそ者」が田舎の集落に住んでみて思うこと。

活動拠点があるのは羨ましい」

 

他地域で活躍する協力隊仲間から、よく掛けられる言葉だ。

 

「活動拠点がある」ということ

庄内町の6次産業化共同利用加工場「タチラボ」オープン1周年!!

始めは意識したことがなかった。

しかし、第三者からの純粋な評価なのだと受け止めると、

段々とありがたく誇らしい気持ちが芽生えてくる。

 

役場の中に机を並べて、

端から見ると役場職員と何ら変わらないような業務形態である協力隊も意外と多い。

 

もちろんそれを批判するつもりは無い。

役場職員との距離が近いことは、多くのメリットもあるだろう。

 

ここには協力隊しかいない

ここ「タチラボ」は、協力隊3名だけが常駐し、

日々、加工場利用者の対応や商品開発、栽培状況のデータベース化など、

6次産業化に繋がる幅広い業務に従事している。

 

 

特に商品開発は、いかに多くの意見を出し合えるかが大切だ。

 

たくさんの役場職員に囲まれながらも、

まるで授業中のように皆が黙々と作業している事務所の片隅で、

(ノート見せて)と言わんばかりのひそひそ意見交換。

 

もしもこんな環境だったなら、自由な発想の商品開発はできなかっただろう。

 

「庄内町のほしがきさん」ネット販売始まりました!

 

突然現れる暖色

中山間地域には馴染まない配色をした大きな「活動拠点」は、

「あそこに何かある」と印象づけるには十分すぎた。

 

毎日入れ代わり立ち代わり、地域の方が訪れてくれる。

 

タチラボの事務所でご近所さん同士がたまたま顔を合わせ、

我々に関係ない、敬老会の打ち合わせなんかが始まったりする。

 

主たる目的である「食品加工場」を掲げてしまうと敷居が高いが、

地域の方々にとって交流の場になっているのであればとても喜ばしいことだ。

 

「活動拠点に住む」ということ

そして、実は筆者自身も、

活動拠点と同じ集落に居を構えている。

すると何が起きるのか。

 

新聞を読んで

「今日は雨降りか…」

という思いが頭をよぎる朝と同じくらいの頻度で、

家のチャイムが鳴る。

 

そう、おすそ分けである。

 

いつもお腹はいっぱい

 

Amazonのタイムセールで購入した特価の冷蔵庫は、

傘を手に取る回数ほどのペースでのおすそ分けを想定しておらず、

入居2ヶ月で1ドア冷蔵庫を追加購入。

以降は2台体制を敷いている。

 

見返りなど求めていない善意100%であるからこそ、

ご厚意に甘え続けるのは気が重い。

おすそ分けでいっぱいになったお腹ぐらいに重い。

 

幸いにも、筆者が生まれ育った地元の代名詞とも言える「りんご」は、

近所では栽培されていないので、お返しとして喜んでいただける。

 

いつしか、実家からりんごが届くと、

「あそこの家に何個、あっちには何個」

と、自動的に頭の中で算段するようになった。

それでも足りない分は、協力隊としての活動でお返しするしかない。

 

そしてもうひとつ、集落あるあるとして多いのが飲みのお誘いだ。

 

集会所の押し入れには三種の神器「ビール、焼酎、日本酒」

 

皆さんもれなくお酒が大好き。そして強い。

とにかく何かと理由をつけて集まる。

<酒が飲める飲めるぞ~>の唄、そのものである。

 

他の地域がどうなのかはわからないが、

少なくとも筆者が暮らしている集落の方々は、

「よそ者」である我々と距離を置くようなことは一切しない。

 

むしろ、おすそ分けかお酒を片手に、

向こうから近づいてきていただける。

 

自ら胸襟を開き、「よそ者」への感謝と期待や、

「任期が終わっても住んでくれれば嬉しい」という想いを素直に述べつつも

強要はせず、プレッシャーにならないよう気を遣って下さっているのが伝わり、

とてもあたたかい気持ちになる。

 

果たして自らがその歳、その立場になった時に、

わざわざ半世紀ほども歳の離れた若造に声を掛けるだろうか?

無関心でいる方がよっぽど気楽だ。

 

それほどまでに抽象度の高い視点はどこで得られるのか。

すべては「地域のため」からなるのだろうか。

人生の先輩方に学ばされることは多い。

 

住んでみて初めて分かること

筆者と同じように、

失礼ながら祖父、祖母の年齢に等しい方々と、

毎週のように膝を突き合わせて酒を酌み交わす20代は、

どれほどの人数にのぼるだろう。

 

このような考え方を持つようになって、

活動拠点に住んでいて良かったと改めて感じた。

 

飲みの席で聞く集落の様々な悩み、課題は、

「通い」では知り得なかった情報だ。

 

人手不足、自主防災、独居老人、空き家、雪害…

 

この集落に身を置いて何十年という歳月を重ねていても、

一度として同じ年はやってこない。

 

毎年歳を取り、人口が減り、環境が変わる中、

新たな課題に立ち向かっている。

 

これまでにいただいたご恩を、課題解決によってお返ししたいと思うものの、

まだ「りんご」のように都合のいい発想は手元にない。

 

60、70、80代の方々による経験20代の行動力とを掛け合わせて、

りんごをたくさん配れるようになりたい。

今はその想いでいっぱいだ。

 

終わりに-仕事としての「集落支援」

そこに住むことで初めて見えてくる問題は、

どの地域、どの集落にも必ずある。

 

その課題を解決する専門職があることをご存知だろうか。

「集落支援員」という国の制度である。

 

長くなったので、続きはまた次回。

 

ABOUTこの記事をかいた人

ハシゴダカ@6次産業化ライター

庄内町立谷沢地区へ移住し「食」と「農」を軸に活動する地域おこし協力隊。 共同利用食品加工場「タチラボ」にて、生産者様の加工食品開発・販路拡大などをサポート。 複業:フリーランスでWebライティング / 動画編集 / 「立谷沢山の芋」農家 / 燻製加工食品製造 などのパラレルワーク。 趣味は家庭菜園。