なぜ「人口750万人」の香港が、農林水産物・食品の輸出額第1位なのか-前編

こんにちは!まちおこしライターハシゴダカ@hashigodaka_com)です!

 

先日、 東北農政局による、

GFP輸出促進に関する勉強会に参加してきました。

 

 

GFPについては、

こちらの記事で詳しく解説しています。

農林水産省による輸出プロジェクト、GFPとは?食に関わる方必見!

 

今回の勉強会では、とても興味深いお話がありました。

それは、農林水産物・食品の輸出に関する状況について。

 

農林水産物・食品の輸出先トップは…?

こちらの表をご覧ください。

出典:農林水産省

 

こちらは農林水産省による2018年のデータ。

農林水産物・食品の輸出額上位20カ国を表しています。

 

輸出先国の第1位は、香港です。

金額は、2,115億円

第2位中国1,338億円を大きく引き離しています。

 

ひょっとすると、ここまでの情報はご存じの方も多いかもしれません。

私も、「確か香港とか台湾への輸出は多いんだよね~」

といった程度の認識でした。

 

しかし、この現状をもう少し詳しく捉えようとすると、

とある思いが頭に浮かびます。

 

それは、

「3位アメリカ、2位中国、1位香港…あれ?香港ってそんなに人口多いっけ?

という疑問。

 

実は、香港の人口はたったの約750万人。

対して中国は、ご存知の通り世界一の人口を誇る超大国

その数、およそ14億人

 

香港の人口は中国と比較して、約180分の1程度の規模に留まります。

 

この事実だけを捉えると、「小さなマーケットだろう」という印象を抱くのが当然ですが、

そんな香港に対して、日本は対中国の2倍近い輸出額を記録しているのです。

 

これは、例えば「香港は親日だから…?」

といった抽象的な理由だけでは説明がつかない数字です。

 

果たしてなぜ、このような実績を残しているのでしょうか。

食品輸出の入門編として、データを元に読み解きます。

 

生鮮品を自由に輸出できる数少ない国

こちらの表は、各国へ農産物等を輸出する際の

検疫条件をまとめたものです。

出典:農林水産省

 

多くの国では、

「Q」植物検疫証明書(輸出検査に合格すると発給)の添付が必要

「PQ」植物検疫証明書と輸入許可証(相手国より発給)の添付が必要

「×」輸出不可

といった記号が並びます。

 

一方香港は、全項目が「◎」という表記。

こちらは、植物検疫証明書が不要であることを意味します。

つまり、輸出検査無しでの輸出が可能なのです。

※放射性物質検査等、一部例外があります。

 

その点、中国は「×」がたくさん並んでいます。

品目別・国別の詳しい制度については、

日本貿易振興機構(JETRO)

のホームページから確認することができますが、

このデータだけでも、人口と輸出額が比例しない理由を推し量ることができます。

 

しかし、この表をじっくり読み解いていくと、

また新しい疑問が湧きあがりました。

 

そう、「シンガポール」「マレーシア」も全部「◎」なのです。

 

しかし、先述の輸出額順位表では、

シンガポールは8位、マレーシアは13位となっています。

 

検疫条件は同程度でありながら、なぜこのような差が生じるのでしょうか。

 

地理的にも優位

香港シンガポールマレーシアとの間に差が開いている要因のひとつは、

「地理的優位性」によるものです。

出典:旅Pocket

 

こちらの地図は、日本から周辺国へ移動する際の所要時間を表しています。

 

一般的に香港は日本から4時間圏内とされていますが、

シンガポール・マレーシアへの移動に掛かる時間はともに約7時間。

 

これが実際の時間差以上に大きな違いを生み出します。

 

極端な例を挙げると、

「朝に日本で競り落とした魚を、その日の夜に現地の寿司屋で提供できるか」

という違いです。

 

シンガポール・マレーシアでは困難ですが、

香港との距離であれば実現することができます。

 

この条件は日本国内での流通時間とほぼ同等であり、

更に検疫条件も相まって、

国内での取引に近い感覚での輸出が実現します。

 

まとめ

ここまでを取りまとめると、

「検疫条件のハードルが最も低い国の中で、最も日本との地理的優位性を有している」

という事実が浮かび上がりました。

 

引き続き次回は更に詳しく、

香港の方々の所得や税金、消費の動向について分析します。

ABOUTこの記事をかいた人

ハシゴダカ

ノースキルから、協力隊任期3年でパラレルキャリア×フリーランスを目指し、山奥で複業中。 1.山形県庄内町地域おこし協力隊(ミッション:地域ブランド&6次産業化・残り任期1年6ヶ月) 2.Webライター 3.ECサイト「百舌堂」運営 4.燻製加工食品製造 5.立谷沢山の芋農家 6.ブログ運営。 プログラミングを学習中。