こんにちは!まちおこしライターのハシゴダカ(@hashigodaka_com)です!
今回のテーマは、農林水産物・加工食品の輸出について。
日本の人口がこれから年々減少していく中、
農林水産物や加工食品の販売で既存の市場に新規参入し、
業績を伸ばし続けるのは容易ではありません。
こちらのグラフをご覧いただくと、
今後国内のビジネスはいかに少ないパイを奪い合うことになるのか、
想像がつきやすいと思います。
そのような中、海外に新たな販路を見出す、
つまり「輸出」に取り組むことは、もはや自然の流れと言えるでしょう。
そこで、食品輸出に積極的な全ての事業者を後押しする、
「GFP」という取り組みを、
農林水産省が推進しています。
一体どのようなプロジェクトなのか、具体的に紐解いていきたいと思います。
GFPの概要
農林水産省の推進する「農林水産物・食品輸出プロジェクト」であるGFPとは、
Global (Farmers / Fishermen / Foresters / Food Manufacturers) Project
の略称です。
海外輸出は国内での出荷とは異なり、
言語や各種手続きを始めとした多くのハードルが存在しています。
そのため、事業者単体で成果を出し続けるのは困難だという現状があります。
この課題を克服するためには、
生産者や輸出をサポートする様々な事業者の繋がりが不可欠です。
そこで、ビジネスパートナーを見つけられる大きなネットワークを作ろう!
という画期的な取り組みが、このGFPなのです。
GFPに登録できる事業者は
GFPには、農林水産物や食品の輸出に意欲的に取り組もうとする、
全ての事業者が登録することができます。
具体的には、
- 生産者
- 食品加工業者
- 商社
- 物流業者
- 金融機関
などが想定されており、
2019年9月現在で、登録者数は1,700社を超えています。
GFPコミュニティとは
先述した多種多様な事業者それぞれが、
ひとつの枠組みの中に共存するこのネットワークを、
GFPコミュニティと呼称しています。
事業者はこのコミュニティにおいて、
- 輸出診断、訪問診断
- 輸出プレイヤー、輸出商品の見える化
- プレイヤー間のネットワーク形成
- 共同プロジェクトの企画・実行
- 商談への橋渡し
といった取り組みを実施しています。
さらに、これらの活動に対しては、
農林水産省や経済産業省、地方自治体といった行政や、
日本貿易振興機構(JETRO)からワンストップの支援を受けることができます。
GFPに登録するメリット
事業者がGFPに登録することで、
具体的には以下のサービスが受けられます。
農林漁業者・食品事業者へのサービス
- 輸出診断を無料で受けられます。
- 輸出商社の「商品リクエスト情報」を受け取れます。
- 輸出希望商品を輸出商社に紹介できます。多くの輸出商社は国内取引で商品を購入するため、輸出手続きを自ら行わずに速やかに輸出できます。
- 輸出のための産地づくりは、計画策定から支援を受けられます。
- メンバー同士の交流イベントに参加できます。
輸出商社・バイヤー・物流企業へのサービス
- 生産者・製造業者が作成する「商品シート」を受け取れます。
- 「商品リクエスト」を全国の生産者・製造業者に発信できます。
- メンバー同士の交流イベントに参加できます。
このように、特に新たな取り組みを始める事業者にとっては、
とても有益なサービスを実施しています。
これこそが、登録者が増え続けている理由のひとつだと言えるのではないでしょうか。
自分ひとりだけでビジネスはできない

出典:GFP 農林水産物・食品輸出プロジェクト:農林水産省
これからの時代、どれだけいいものを作っていても、
それだけでは勝負することができません。
HACCP認証、有機JAS認証、グローバルGAP…などといった、
「目に見える安全」があって初めて、
スタートラインに立てるという世界がたくさんあります。
GFPへの登録により、
狭い日本の中で勝ち抜き、世界で戦うことに対するハードルはきっと下がるはずです。
常に変化し続ける、「食」を取り巻く環境に対して目を背けず、
関わる事業者それぞれが先々を見据えた取り組みをすることで、
日本の「食」の未来がより明るいものになるよう望みます。